「映画Platoon 裏話」その2です。
みなさん、こんにちわ。水の心です。
今日は引き続き「映画Platoon 裏話」その2です。
前回は、オリバー・ストーン監督を中心とした話だったのですが、今回は俳優たち中心の話です。
キャストとクルーは、1986年初頭、ロケ地フィリッピンに入国。
フェルディナンド・マルコス氏が倒される1986年のエデゥサ革命が、ほとんど同時に勃発しており、ウィレム・デフォーによると、マニラにあと2日遅れて到着していたら、通りで転覆している戦車の列を見て、目が覚めただろう、と語っています。
オープニングクレジットの流れる間、ビッグ・ハロルド(フォレスト・ウィテカー)が丘を落ちて転がっていきます。ウィテカーは、それは本当に落っこちてしまったんだ、と言っています。
多くの米軍指揮官たちは、下級士官として取ってはならない態度の「例」としてウォルフ中尉を挙げています。
エリアスの班の兵隊が、マリファナを吸っているシーンの前、実際に俳優たちはマリファナを吸っていました。
ウィレム・デフォーの報告によると、彼らにとって残念だったのは、舞台が準備され実際に撮影が始まった頃には、みんなハイになっており、そして気分が悪くなっていた事だそうです。(演技どころではなかった、という事でしょうか)
トム・ベレンジャーは、撮影前の軍事教練で13キロ痩せましたが、監督はその鋭さを失って欲しくなかった為、教練が終わったその日から撮影を開始しました。
映画クライマックスの戦闘が終わり、増援が到着した際、ラー(フランチェスコ・クイン)が、用心深く周りを見渡しながら、死んだヴェトナム兵士の胸ポケットから、何かを取り出し所持します。
取り出したそれは、ヴェトナム兵が痛み止めとして使っていたヘロインでした。
戦時中、多くのヘロイン中毒の米兵は、みな同じ様な事をしていたそうです。
そのシーンは、ラーというキャラクターの持つ神秘的な性格は、大きな問題のきざしであることを暗示しています。
ジョニー・デップは、本作で、非常に気を使った一つのシーンを思い出すそうで、撮影時、恐ろしい監督の演技要求によって、吐き気を催す位デップは追い詰められていました。
にもかかわらず監督は2度目のテイクを要求したそうです。
監督は、主人公クリス・テイラーをリードする役割の為、ジョニー・デップを配置。しかし当時デップは無名な上、役を演じるには若過ぎました。
しかし監督は、デップはいつか大スターになる、と確信しており、本作がハリウッドにデップを紹介出来た最初の映画の一つになった、と語っています。
数人の役者は、映画を通して「1956コンバットヘルメットのカモフラカバー」にメッセージを書いていました。
チャーリー・シーンのカバーには「俺が死んだら、逆さ(うつ伏せ)に埋葬してくれ、世界が俺の尻にキスできるように」でした。
一方デップは、当時付き合っていた「シェリリン」と(1985年に婚約していた女優シェリリン・フェイ)の名を書いています。デップのシェリリン・フェイについては他にも、みんなでマリファナを吸うシーンの、デップのギターに彫られたS・Fの文字が確認できます。
ウォルフ中尉役のマーク・モーゼスは、雑誌マッドマガジンのキャラクター「アルフレッド・E・ニューマン」と、有名なセリフ「何?俺、心配?」を書き込みました。
トム・ベレンジャーによると、この書き込みが、撮影中の監督を一回大爆笑させたそうです。
ある時、ジュニアと数人の黒人兵士が、小隊の現状について話していたところ、ウォーレンの考えている良いリーダーは「撃ちまくるヤツ」で「クソ」で汚れてるかも知れない、とジュニアが言い返している間、
ウォーレンはバーンズ軍曹に任せるべきだ、と言っています。
これはモルヒネ中毒になり、劇中最後まであいまいになっているウォーレンに言及しているものです。
サンディとサルは、壕の中で、地図で一杯の箱と「S2 STUFF」を発見します。
S2とは軍事情報を指し、小隊が基地に帰った後、分析の為にそれらを情報部に手渡す事を意味します。
オニール軍曹の配役は、元々俳優「ジョン・スペンサー」の予定で、ジョン・マッギンリーは、トニー役でした。しかし、その後ジョンは不採用。
マッギンリーがオニール軍曹という大役をもらいました。
そして、アイヴァン・ケーンがトニー役を演じています。
TVインタビューの中で、チャーリー・シーンは、キング役のキース・デビッドが命を救ってくれた、と称賛しています。
ドアの開いたヒューイヘリコプターでの撮影で、ヘリが大きく傾きチャーリーは、前方に投げ出され、そのまま開いたドアから放り出されそうになったところ、デビッドがチャーリーを後ろからつかみ、引き戻してくれたそうです。
チャーリー・シーンは、主役のクリスを演じるには若すぎると感じ、依頼を断った事があります。その際、彼の上の兄、エミリオ・エステベスに依頼がいきましたが、金銭的な問題で契約は白紙になったそうです。
そして2年後、映画の計画は進み、出演依頼が再びエステベスにいきましたが、エステベスは既に他の計画に取り組んでおり、結果チャーリー・シーンがクリス役を獲得しました。
クライマックスの戦闘が始まる直前、北ベトナム兵士が黄色い竹で作られた「斧」を木に固定しているシーンがあります。
「斧」は北ベトナム兵士の米軍陣地への道しるべの為のものです。
クリスは最後の戦闘で、エリアスの仇を討ちます。
他の小隊が到着し、生存者を探し、誰かがクリスに彼は大丈夫か?と尋ねます。その時、テイラーは素早く手榴弾を落とします。
脚本はそうする事を欲しませんでしたが、チャーリー・シーンは、劇中そこでクリスが自殺したのかも知れない、と思いました。また、監督はそのアイディアを気に入り、それを取っておいたそうです。
クライマックスの戦闘は、第二大隊第三海兵隊で戦闘広報担当だった軍事監修のデイル・ダイによる考証により、本物の戦場の再現になりました。
そのデイル・ダイは本作で、その他大勢として数多く出演しています。
まずは、ラジオのほとんど声を演じ、教会の待ち伏せ後のシーンでの、ヘリのドアガンナーを演じています。もちろん正体を隠す為、ヘルメットの黒バイザーを下げています。
またハリス大尉も演じています。
その妻キャサリンはベトナム人で、エキストラとして、最後の戦闘後2人の米兵によって集団墓地に投げ込まれています。
引き続き「映画Platoon 裏話」その3です。 - チャレンジなので。懐古中年、Gose on!
続きます。
それでは、次の更新まで!