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アーサー・C・クラーク著「決定版 2001年宇宙の旅」です。

 みなさん、はじめまして水のこころです。

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お馴染みの怖いAI

今日はSF小説「決定版 2001年宇宙の旅」(1993年 伊藤典夫訳 ハヤカワ文庫)の紹介です。

Wikiによると、映画「2001年宇宙の旅」を製作するにあたって、クラークとキューブリックは相談。クラークの短編小説「前哨」(1948)を原案とし、映画のストーリーを創作していった、とあります。 

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やっぱり面白い小説です

その「前哨」は、手元にもう無いので、うろ覚えなのですが、月に遺跡があり、それを人類が発見。

探索した結果、遺跡から、強烈な通信信号が発射されてしまった。

「もしかして、これは一種の罠で、ドコに向かって発射されたのかもわからないし、相手が何者なのかすらもわからない。

人類は相当ヤバい物に触れちゃったかも知れない・・・。」

という短編でもあるので非常にコワい作品です。

 映画は、1968年4月に公開。

SF映画史上、永遠の最高傑作で、驚くべき考証、先見性によって、未来を描き、壮大な人類のストーリーを映像化しました。

もう一つの小説版は映画版の公開から、3か月後の、1968年の7月に出版。

 

この年の出来事は、これもSFの定番「猿の惑星」が公開。

ベトナム戦争ではテト攻勢が起き、米では、ロバート・F・ケネディ上院議員キング牧師が暗殺される。

仏では5月革命が起き、チェコではプラハの春

メキシコではオリンピック10日間に民主主義デモで死傷者多数。

 

日本では、大学紛争、三億円事件発生、ピンポンパン、アニメ巨人の星放映、人生ゲームがヒット、いざなぎ景気とあります。

 

二次大戦終息から二回り後、米ソの覇権争いが、露骨に顕著になっており、「2001年」の背景の米ソの対立は、その時代の空気を反映している様です。

 

また、映画後半の、有名なスターゲイトのシーンは、あまりに難解で、その映像のインパクトからは、当時ジョン・レノンが、そこだけを欲しがっていた、とか、スターゲイトで出てくる立法体は、キリスト教由来のシンボルであり、隠喩なのだ、と観る人の数だけ解釈があり、なかなか面白いシーンです。

 

 その昔1980年代、レンタルビデオ屋が出現し、カルト映画が大流行した学生時代、TV放送を待たずして「2001年」を観る機会が増え、小説版も購入し、なんとか理解しようとしていました。

 

映画版で描き切れなかった小説版の描写として、

実は、モノリスによって導かれ進化した種族が多数存在している事。

例えば、映画版は、スターゲイトをくぐり抜け、別宇宙に到達した事を、抽象的な映像によって表現しているのですが、

小説版では、スターゲイトから別宇宙への到達途中、一瞬通り過ぎる「宇宙港」が描かれています。

 

また、映画版ラストシーン、地球を眺めるスターチャイルド(ボーマン)。

小説版では地球人類から「メガトン爆弾」で攻撃されるが、

それをはじめ地球上で起こっている国同士の争いも、人類以上の力を持ったスターチャイルドによって、これから人類は変化せざるを得ない事を予感させて終わるという、ある意味ハッピーエンド なSF小説というのがわかります。

 

クラークには、「地球幼年期の終わり」という小説もあり、どうも人類の高次への成長というものに、興味があったんだろうか、と思えるのだけども、まだ「幼年期」は未読だし、他のクラーク作品をあまり読んでないので、何とも言えない。

クラークは 戦争の世紀を当事者として過ごし、背景に冷戦と局地戦、代理戦争があった時代を見てきて、どうも人類のルネッサンスというより、飽くなき次へのチャレンジがあるんだろか、とも思います。

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途中挫折の難しい本

また、クラーク著「失われた宇宙の旅2001」(2000年4月発行 伊藤典夫訳)は、「2001年」映画制作時のエピソードや、使わなかったシナリオ等をまとめた作品で、「2001年」をもっと理解するのに最適な(著者が作者本人なので)本だと思う。

のだけども、毎回読破しようと思うのだが、全体の3分の一位で毎回ギブアップし、完読出来ていない、というもったいない本だ。時間のある方、SFマニア、2001年ファンの人は、根性出して読み切れる思うので、読んで見られるのはどうだろうか。

 

(余談なのだが、1969年の米国による人類初の月面着陸は、半分はフェイク(作り物)だという説がある。

全世界に向けた生放送中、失敗した時の為に、それは計画され、キューブリックその人もNASAの依頼で参加、「2001年」で使った特殊撮影を駆使し、月面着陸を補完演出したのではないか?という話だ。

現在も、ポロポロ出てくるフェイクに関する写真、証言、それら証拠は真実だった、という事になる。

そしてその協力への礼として、キューブリックは1999年の遺作「アイズ ワイド シャット」で、ろうそくの明かりでも撮影出来る、カールツァイス社の月面撮影用レンズf/0.7を借りる事が出来た、と言うのだ。)

 

現在、外出がオススメでない今、映像、小説と鑑賞されては、どうだろうか。

 

それでは、次の更新まで!