チャレンジなので。懐古中年、Gose on!

無職を続ける、好き嫌いの激しい中年が、メインブログの裏で、こっそりチャレンジを続けて行くブログ。

昭和53年の 「映画 さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」です。

 みなさん、こんにちわ。水の心です。

 

熊本大震災に遭われた方々、関係者の皆様、現在とてもつらくしんどい時だと思い

ます。まずは出来るだけ迅速に支援物資が到着し、皆様の手に届き、早く健康を取

り戻されるよう願っております。取り急ぎ、お見舞い申し上げます。

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 今日は昭和53年の「映画 さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」です。

1978年、東映系で公開されたアニメ映画で、当時小学生だった私は、あの宇宙戦艦

ヤマトの続編と聞いて、どうしても観たくて親に無理を言い、その日姉に連れて

行ってもらう事になりました。

 

 宇宙戦艦ヤマトは、当時、大ブームになったSFアニメです。

子供番組の「まんが映画」が大ヒットするなど考えられない時代でした。

youtu.be

TVシリーズ1作目は、帝国海軍の残り香漂うアナクロ的SF作品で、若者達の冒険成長物語でもありました。当時の私は、今とあまり変わらず「零戦は52型なの

じゃーッ!」などという子供だったので、スペースロマンより、ミリタリー要素に

惹かれていました。


 そしてその劇場で目の当たりにしたのは、次々と戦死するおなじみのキャラク

ター達。

あまりにショッキングで、悲しいのですが、泣いて良いものやら、悪いものやらわ

からず、姉の顔と画面を交互に見ながら、どうしたらいいのか非常に戸惑ったおぼ

えがあります。


カッコイイ艦隊戦や艦載機によるドッグファイト。勇ましい勝利を期待していた私

は、呆然自失で帰途につきました。

正直、子供の期待を裏切るストーリーには「やられた!」としか言いようがありま

せん。

 

 その日買ったパンフレットは繰り返して読み、宮川泰氏の78年のサントラLPも購

入しました。

今の様に、ビデオやDVDがあるわけはないので、パンフを見ながらレコードを聴い

て、映画を思い出すのですが、いつも悲しく暗くなる時間でした。


 あの勇壮な主題歌のテーマが聴きたかったのですが、ヤマトのテーマは、1曲目

<序曲>に出て来るのみ。それもチラッとだけ。

小学生には難し過ぎる、宮川泰氏の美しいが物悲しいメロディで構成された、アル

バムなのでした。


 そんな「さらば」ブームは、TVにも波及。

沢田研二氏の唄う主題歌「ヤマトより愛をこめて」は、TBSの黒柳徹子氏と久米宏

氏司会のザ・ベストテン(歌番組)で、2位にランクイン。

沢田氏は、感情を込め、曲の最後に涙をポロリと流す、という劇的なパフォーマン

スをしたのを憶えています。

(この曲は、お葬式の出棺の時にかかる音楽と同じ位置づけだと思います)

 

 映画の公開時期は丁度夏休みで、大人の観客も多かったのだと思います。

しばらくすると、地方新聞の読者の投書欄に「さらば」についての問題提起が起き

ました。やはり「最後の特攻」についての否定意見だったと思います。


私はヤマトを皆が知り、それについて話をしている事の方がうれしく、それを読ん

でいました。

結局、何回か特攻の是非に関する投書が載り、夏が終わるころには、次第に消えて

忘れられていったのでした。

 

 私の方はと言うと、野村トーイのヤマトにアンドロメダデスラー艦のプラモデ

ルを購入。自分で初めて塗装したりして、たまにミクロマンで遊んでいました。

 

 そして数か月後。

TVで始まった「宇宙戦艦ヤマト2」!


所々映画からの映像も使われており、否が応でも期待は膨らみます。

圧倒的なガトランティス帝国の前に、為す術もなく我々のヤマトは悲劇的な最期を

迎え、伝説となる。

最終回が近くなるにつれ、私は、その恐ろしさに、気分が高まっていきました。

 

「皆が悲しみの衝撃を受けるのだ!」


ところが

・・・なんだこれ?

テレサ裸でないし、

島戻ってきたけども。

なんだ?なんかほとんど生き残ってる?


映画館で観た、壮絶な戦闘と死。

強大な暴力に対する無力感と絶望。

そして命を賭した攻撃。

そんなものは、ありませんでした。


なぜこうなってしまったのか、疑問に思いつつ、私は中学生になっていきました。

その答えを知るには30年以上かかりましたが、現在ネットでは簡単に調べられま

す。


結局、大人ってヒドイね!

というのが感想です。

その後ヤマトは、雑誌OUTや、ファンロードのパロディネタになり、これでもかと

続いていくシリーズは、私を含め、周りからあきられていきました。


 1作目のガミラスは「ドイツ第三帝国

数百年未来の科学力を持つ侵略者に対して、勇気と知恵で乗り切るという、大逆転

物語。

 

「さらば」のガトランティスは超大国「アメリカ」

無敵の科学力と強大さで「ドイツ」はひざまずき、世界覇権の為、多くの国々を侵

略し破壊していきます。

 

シン・ゴジラ」の庵野秀明氏の様に、1作目を愛する人は、機転も利かせず、情

緒も無く、死闘に明け暮れる「さらば」は、ヤマトではない!

とあまり評判がよろしくありません。

 

なぜなら1作目は「必ず帰るから」が目的だから。

「さらば」は「宇宙に、平和と愛を伝える、その為の命」を使って戦う

「愛の戦士たち」の物語。


いつか見た護国の若者の死。

その悲劇性と自己犠牲に、つい古代を重ねてしまいます。


1作目と「さらば」は、まったくテーマが違うのです。

 

(少し思うのは、戦艦大和をヤマトの下敷きにしてしまった事。

空想SFに、ついこの間の戦争の記憶を入れてしまった事で、そこに少し隙間が出来

てしまった。「さらば」はこの隙間が特に目立った気がします)

 

また、あまり論争の話題にはならないのですが、アンドロメダに象徴される科学至

上主義の蔓延。が所詮それは「イスカンダル」からの借物。1年前のガミラス戦で

の滅亡へのカウントダウンから一転、戦勝した人類のおごり。

これに対する古代達、現場からの反発。

 

この方が重視されるべき点の様な気がします。

これは戦後1970年代末期「戦時中の記憶」をかなぐり捨て、米国資本主義に踊る現

代日本のあり方を批判していると思います。


 劇中、怒涛のクライマックス。レリーフから現れる沖田艦長の言葉。

もう古代は「あの世」に半分行っています。

沖田艦長は、危機に対する「命」の大切さを古代に語ります。

武器が無くなっても、命をもって対抗しようとする古代は、

あの判断をする事で、ある種の「神様」になりました。


島達には「人間」として現実を生きる事を勧めている。


「貴方の中に勇気と愛の姿を見せて貰いました。~私はこの日を待っていたので

す」と語るテレサは、一種の宇宙教の伝道師でもあり教徒です。


 第一艦橋には、死んだ者、脱出した者達が、ごちゃまぜの幻となって古代の前に

現れます。ここまで見てしまうと、古代はもう帰って来れません。

雪まで復活し、みな違う世界の住人になっています。


(ファンが指摘する、最後の攻撃をしないズォーダー大帝。不思議ですが、映画に

勢いがあるのであまり問題になりません)


そして「さらば」を意味する最後の字幕。


悲しくも崇高な思い出となってしまったヤマトと、戦士達の愛の偉大さを噛みしめ

て、観客はカタルシスを味わうのです。

 


 ・・・古代は、早まった、のかも知れない。

「ヤマト2」を作った松本零士氏の想いと同じく。

 

古代を殺してはいけなかった、のかも知れない。

古代は沖田艦長の言葉を間違って受け取ってしまった、のかも知れない。

 

テレサは現れず、ズォーダーの下で、文明を取り上げられ、原始人の様に後退し、

一日一食の雑穀だけの奴隷になろうとも、生きていかねばならなかった、

のかも知れない。

 

中年になった私は、古代は、もう少し生きてみても良かったのかも知れない、とふ

と思いました。

 

だがもしかすると、古代が生存降伏した後、超巨大戦艦の砲撃で地球は壊滅し、先

遣隊の虐殺で、地球人は30分で「絶滅」するのかも知れない。

 

そうであれば、古代のあの判断は選択肢として非常に「アリ」だ。

地球人類最終最後の攻撃なら、その権利はあると思う。

 

古代の最後の突撃を批判する人は、問答無用で老若男女、全地球人が虐殺されてい

く映像を30分見る事を想像しただろうか。

 

 その後私は、木村拓哉主演「SPACE BATTLESHIPヤマト」を見て愕然とし、

「2199」は数話しか見ておらず、そこで何が起きたか詳しくわからない。


なぜなら大好きなヤマトは「さらば」で終わってしまったのだから。


 と観た人それぞれに思い入れの深い、難しい映画なのですが、

監督の舛田利雄氏の戦争映画「二百三高地」を観てしまうと「さらば」も同一線上

にある様な気がします。主演のあおい輝彦氏から受ける、苦しみや痛みが同じもの

だと思うのです。

 

 子供が初めて観る戦争映画。

「さらば」を観て、爽快感を感じる者はいないし、ズォーダーに勝った古代を歓声

上げて、喜ぶ映画でもない。

 

奪われた大事な物、虚しさ、衝撃を感じとればいいのだ、と思います。

これが、戦争映画なのだ、と思いました。

 

 現在「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」が製作決定。

私があの時見た、あの衝撃。

平成の子供達を、悲しみのどん底に叩き落とし「戦争の悲惨さ」を心に刻みつけて

欲しいと思っています。

 

<それから30余年後、中年になった私が遂に神様に会う!こちらの記事もどうぞ!>

cocoro-hobbies.hatenablog.jp

それでは、次の更新まで!